月次訪問のひみつ

毎月、前月分の資料を持って訪問します。
まずは「月別の損益計算書」を社長さんと一緒に見ていきます。
その際、税理士のほうから、「売上がいくらで前の月よりこれだけ増えていて」というように記載されている数字について一方的に解説をして終わりということはしません。
それでは、会話形式で月次訪問のひみつについて見ていきましょう。

月次訪問のひみつ(その1)

税理士

社長、3月の損益計算書をご覧ください。
売上が250万円と2月に比べて50万円も増えてますね。


損益計算書

社長

そうだね。3月は結構頑張ったからね。


税理士

しかし、売上が50万円も増えたのに、営業利益は2月と同じなんですよね。
これについてはどうですか。


損益計算書2

社長

売上が増えたのに、利益が同じというのはおかしいね。

ポイント!

まずは、前の月や前年の同じ月の数字と比較して、その月の数字がどうであるかをかいつまんでお話します。
そして帳票上の数字が社長さんの感覚と一致しているのか、それともずれがあるのかを、きいていきます。
帳票の数字と社長さんの感覚とずれがある場合はその原因をつきとめていきます。

税理士

まず売上原価ですが、3月は200万円で先月は140万円でした。
つまり売上が50万円増えたのに対して売上原価が60万円増えたことになります。
結果的に売上に対する売上原価の割合が70%から80%に上がっています。


損益計算書2
社長

そうか、全体的には販売数は増えたが原価が掛かっている商品が売れたからこうなったのか。あと3月は売上目標達成のために後半は値引きを結構したのも響いたかな。そう考えるとこれくらいの結果になるかあ。

ポイント!

だんだんと細かい部分についてみていきます。
こうしてより細かい部分をみていくことによって、社長さんが日頃感覚的に把握されている内容について検証がすすんでいきます。また、逆に会計処理の誤りを発見する場合もあります。 
>> 会計処理に誤りがあった場合
あくまでも、税理士は社長さんの分析を促す役目をします。

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